第三回 充電不良の直し方(中編) 充電不良の直し方(中編) 2018年2月23日 目次: 1.USBコネクタの破損 2.USBコネクタ破損の具体的症状と原因 3.修理にはコネクタの交換が必要 4.更にひどい症状とは…… こんばんは。スマートまっくす代々木駅前店 副店長の蒲倉でございます。見せまっくす第三回のテーマは、前回に引き続き、「充電ができない時、スマホ内ではどんなことになっているのか? また、どうやって修理するのか?」前回は、基板ハンダからコネクタの足が取れてしまっている場合についてお伝えしました。今回は、また別の故障例を、写真と一緒にご紹介します。 1.USBコネクタの破損 まずは、正常なUSBコネクタをご覧ください。 Xperia Z3 compactの、正常なUSBコネクタです。少し傷んでいますが、使用には支障ありません。黒い小さなプレートに沿うように、金色のピンが五本延びているのが見えます。次は故障しているUSBコネクタです。上の写真とどう違うのか、見比べてみてください。 おわかりいただけるでしょうか?黒いプレートの左端から、金色のピンが飛び出ているように見えますね。……この端末の金色ピンは、何らかの外部的な力がかかって、「く」の字に曲がってしまっているのです。黒いプレート自体も端が欠けてしまっています。この状態で充電プラグを挿し込もうとしても、曲がったピンが引っかかって上手く入らず、無理をすればプラグも壊れてしまうでしょう。では、次の写真。今度は別のコネクタです。 Xperia ZのUSBコネクタ、基板にハンダ付けされていない、部品のみの写真です。先ほどのXperia Z3 compact用コネクタと色は違いますが、小さなプレートに溝が刻まれ、そこに沿って金色のピンが五本伸びている、という構造は一緒です。では次の写真。 な……無い!!ただの四角い穴になってしまっています。奥をよく見ると、かろうじてプレートとピンが生えていた痕跡が残っています……。これでは当然、充電はできません。というわけで、よくある故障例その2。「USBコネクタ破損」です。 2.USBコネクタ破損の具体的症状と原因 この状態になってしまうと、ほとんどの場合、どうがんばっても全く充電されません。それ以前に、プラグを挿し込むこと自体、できなくなることもあります。・異物感がある・途中で何かに引っかかる・プラグを挿しても全く手応えが無いなど。 また、目で見て明らかに違和感があったり、故障がわかる場合が多いです。ちょうど上に写真で紹介したような感じですね。 こうなってしまう原因としては……・充電したままうっかり蹴とばした・プラグの表裏を間違えて無理やり押し込んだ・ハンダ浮きによる接触不良を自力で直せないかと棒を突っ込んでいじくった……など、使用者様側に、「やってしまった」キッカケがわかるケースが多いです。 ハンダ浮きは、長期間の使用状況によって徐々に起こってくる故障ですが、USBコネクタ破損は瞬間的、事故的に発生しやすい故障です。 3.修理にはコネクタの交換が必要 これを直す時に使う道具は前回と同じ、ハンダごて。 が、修理内容は変わってきます。USBコネクタそのものを交換する必要があるのです。まず、破損しているコネクタを取り外します。固定のための足部分もハンダで接着されているので、熱を加えて溶かし外します。 取れました。そしてこちらが交換する部品、新品のUSBコネクタです。 プレートに沿って五本のピンが綺麗に並んでいます。 これを再度基板に取り付けなおし、動作確認して修理完了! 基板、USBコネクタがあるべき位置のアップです。ハンダから足が浮いてしまっているだけのハンダ取れ状態と比較すると、充電ができないという症状に変わりはありませんが、修理は大変になります。ハンダ付けすべきポイントが多いぶん、工程が増えて作業時間が延びますし、部品の在庫が無い場合は、入荷するまで修理自体ができません。 4.更にひどい症状とは…… さて、この2つがUSB不良のうち多くを占める故障内容ですが、実はもう1つ、さらに重傷な状態があります。起こる原因としては破損に近く、起こっていることはハンダ浮きに近いが、どちらよりも危険な状態。その名も「パターン剥離」!修理不能の診断を下さざるを得ないこともある、そしてどの端末にも起こりうるこの故障は、どういった状態なのでしょうか?それはまた次回ご紹介いたします。 後編はコチラ 記事編集担当蒲倉 その他特集記事はコチラ 修理のお問い合わせはコチラ