第五回 SIMスロット破損(症状編) SIMスロット破損(症状編) 2018年2月23日 目次: 1.SIMスロット 壊す人壊さない人 2.SIMスロットが壊れたときの症状 -通信不良- 3.SIMスロットを覗いてみる いつもお世話になっております。スマートまっくす代々木駅前店 副店長の蒲倉でございます。今回ご紹介するのは、「SIMスロット破損」です。 1.SIMスロット 壊す人壊さない人 もしかすると、「そもそもSIMスロットって何?」という方がいらっしゃるかもしれませんね。そういう方は、キャリアショップで新しいスマホを買ったら、その一台をずっと使い続け、2年縛りが終わる頃になったらまたキャリアショップで機種変更……そんな使いかたをされているのでは?これはSIMスロットを壊す可能性がかなり低い使いかたです。SIMスロットを壊してしまいがちなのは、スマホ・タブレットを複数台使っている方や、格安SIMを契約している方、家電量販店で購入されたスマホを使っている方など、ご自身でSIMカードの着脱を行う方々です。知識があって、自分の手で色々できる人が陥りやすいということですね。 SONY Xperia Z5 compact (SO-02H) のSIMスロットです。本体側面のキャップを開けたところにあり、付属のトレーにSIMカードを載せて挿入します。 apple iPhone5のSIMスロットです。上のXperiaと同じく本体側面にありますが、キャップはなく、小さな穴が開いているだけです。その穴に細いピンを挿し込むと、トレーがグッと押し出されてきて、SIMカードの着脱ができます。 ASUS Zenfone2 (ZE551ML) のSIMスロットです。背面のカバーを開けたところにあり、滑り込ませるようにSIMカードを挿入します。SIMスロットが剥き出しなのが特徴的です。着脱の方式は色々ありますが、部品としてのSIMスロットそのものの構造はほとんど変わりません。 2.SIMスロットが壊れたときの症状 -通信不良 SIMスロットが壊れてしまった際に出る症状は、SIMカードを入れても認識しなくなること。あるいは、中で引っかかったり詰まったりして、SIMカードを物理的に入れられなくなります。どっちにしろ、LTE通信ができない……つまり、屋外でインターネットに接続できなくなります。 ちなみに、インターネット接続に不具合が出るような故障はたくさんあります。例えば、アンテナの故障。こちらも通信がほとんどできなくなるものですが、SIMカードは読み込めているのにアンテナ表示が立たない、微弱、安定しない、wifiもほとんど使えなくなる、などの症状が出ます。 画面右上のアンテナ表示(三角形)がゼロになっています。ほか、SIMカードそのものに何らかの異常が発生している場合。通信会社側のトラブルで通信が停止してしまう場合。たまたま電波を掴めていないだけで、再起動や機内モードのオン・オフで直る場合。などなど、簡単に対処できるものから、ユーザー側ではどうにもならない障害まで、多岐に渡ります。 3.SIMスロットを覗いてみる 話をSIMスロットに戻しましょう。この部品、落下衝撃や経年劣化で壊れることは滅多にありません。しかし壊れるときはあっさり壊れます。SIMスロット内部に、非常に脆い部分……ゲームっぽく言うと、ヒットポイントが1しかないところがあるのです。ちょっとSIMスロットの中を覗き込んでみましょう。モデルはSONY Xperia Z3 compact (SO-02G) です。歯医者さんのように光を当てて…… ………… 全力で覗き込んでいますが、うまく写真に写りません。ウオー!10分ほどペンライトとカメラでがんばりましたが、どうも上手くいきませんので、 基板を取り出して直接光を当てました。見やすい!本当は、通常使用している状態のスマホでお見せしたかったのですが、今回はお許しください。 内部には規則正しく金色のツメが並んでいます。この一本一本が、SIMカードに埋め込まれたICとの接点になり、情報を読み取っています。このツメ、とても小さく、繊細です。そして、鱗のように方向性を持って生えているため、何かに引っかかって逆方向に力がかかると、いとも簡単に折れたり曲がったりしてしまうのです。1本でもダメになると、もうSIMカードの情報を正常に読むことはできなくなります……。 壊れたSIMスロットの中身です。規則正しく並んだ6本のツメのうち、上段のツメが2本、折れたり曲がったりしています。 しかし、この狭いSIMスロットの奥にあるツメに、何がどうやって引っかかるのでしょうか?もちろんSIMカードです。SIMカードの表面はツルッとしているのに、引っかかることがあるのか?実は……ある状況下で、挿入されるSIMカードに、いかにもツメがひっかかりそうな“落とし穴”が発生するのです。それは一体……というところで、記事がだいぶ長くなってきてしまいました。今日はこのあたりで一区切りといたしましょう。長々とお付き合い下さいまして、ありがとうございました! 記事編集担当蒲倉 その他特集記事はコチラ 修理のお問い合わせはコチラ