AQUOS sense8 電源が入らない原因はCPUのはんだ割れ【基板復旧修理】
- 2026年8月4日
- 2026年8月4日
- 修理ブログ
- AQUOS, 代々木駅前店
- AQUOS sense8, 基板修理
目次
| 機種名 | AQUOS sense8 |
|---|---|
| 故障内容 | 電源が入らない(起動不良) |
| 作業内容 | CPUのリボールと再実装 |
| 作業時間 | 1日〜14日ほど ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
| 修理料金 | 【基板復旧修理】 36,800円 (税込) 詳細 |
使用中に画像が乱れ、突然電源が落ちた「AQUOS sense8」
今回はSHARPのスマートフォン、AQUOS sense8の修理ご依頼です。
お客様からのご相談内容によると、「使用中に突然画像が乱れ、そのまま電源がオフになってしまった」とのことでした。
なんとか内部の写真データを保護したいと、他社様にてバッテリー交換を試みられたそうですが、一度「SHARP」のロゴ表示まで進んだものの、再び電源が切れてしまい、現在は全くの無反応状態となってしまったとのことで、セカンドオピニオンとして当店にご相談をいただきました。
「突然死」や「ロゴループ(ロゴから進まない、あるいは落ちる)」といった症状で、バッテリー交換でも改善しない場合、メイン基板(マザーボード)自体の深刻な故障が疑われます。
データ復旧が最優先とのことですので、原因を突き止め、慎重に復旧作業を進めていきます。
まずは簡易的な検査と原因の切り分けを行います
まずはお預かりした端末の状態を把握するため、USB充電テスターを接続して通電状況を確認します。
画像のように、電圧は8.838V出ていますが、電流値はわずか「0.060A」しか流れておらず、そこから全く変動しません。
通常、バッテリーが充電される際はもっと高い電流値(1.0A〜2.0A程度など)が流れます。この「0.06A」付近で止まってしまうというのは、電力がバッテリーに正常に供給されず、システムを起動させるための回路が正常に機能していない(メイン基板側に問題がある)ことを強く示唆しています。
他社様ですでにバッテリー交換を試されて改善しなかったという経緯からも、やはりメイン基板自体の故障で間違いなさそうです。

メイン基板を検査し、原因を特定します
原因を特定するため、画面側から慎重に分解し、内部にアクセスします。
他の部品に異常がないか一通り確認した後、メイン基板を取り外します。

メイン基板を取り出し、顕微鏡やテスターを用いて主要な回路やチップ類(コンデンサなど)を詳細に検査します。
しかし、目に見えるショート(短絡)や焼損、異常な数値は見受けられませんでした。
このように、回路自体に異常がないにも関わらず、極端に低い電流値で起動しない場合や、使用中に画像が乱れて落ちるといった症状の根本原因は、「CPUと基板を接合している『はんだボール』のクラック(亀裂)」である可能性が極めて高い状態です。

スマートフォンの頭脳であるCPU(今回はQualcommチップ)は、動作時に高い熱を発します。日々の使用による発熱と冷却の繰り返し(熱膨張・収縮)によって、CPUを固定している無数のはんだボールに徐々に金属疲労が蓄積し、ある日突然目に見えない微細な亀裂が入って接触不良を起こしてしまうのです。これが「突然死」の正体の一つです。
これを修復するには、CPUを一度基板から取り外し、劣化したはんだを除去して新しいはんだボールを再形成する「リボール」と「再実装」という非常に高度な作業が必要となります。
CPUを取り外し、リボール・再実装をおこないます
それでは、基板修復の作業に入ります。
周囲のチップに熱の影響が及ばないよう耐熱テープで保護し、温度と風量を厳密に管理したヒートガンを使用して、慎重にCPUを取り外します。少しでも力加減や熱管理を誤ると、基板側のパッド(接点)が剥がれて修復不可能になってしまうため、経験と技術が問われる工程です。

無事にCPUを取り外せたら、基板側(写真)とチップ側の両方に残っている古いはんだと接着剤(アンダーフィル)を、はんだごてや専用の溶剤を使って綺麗に清掃します。このクリーニングが不十分だと、新しいはんだが均一に乗らず、再実装の失敗につながるため、平滑になるよう念入りに行います。
その後、取り外したCPUチップに専用のステンシル(型枠)を当て、はんだペーストを塗布し、熱を加えて新しいはんだボールを形成します(リボール)。
粒の揃った均一なはんだボールが形成できたことを確認したら、メイン基板の元の位置に正確にCPUを配置し、再度ヒートガンで加熱して実装します。
データそのままで無事に修理完了です!

CPUの再実装が完了し、基板が十分に冷却されたのを確認してから、本体に組み戻します。
緊張の瞬間ですが、電源ボタンを長押しすると……無事に画面が点灯し、起動することが確認できました!
充電ケーブルを接続すると、電流値も正常に上昇しています。
タッチ操作も問題なく、お客様が最も心配されていた内部の写真データも、全て消えることなく無事に残っていました。これにてデータ救出・基板復旧修理は完了です!
「使用中に突然画面が乱れて電源が落ちた」「ロゴループから進まない」「他店でバッテリーや画面を変えても直らなかった」
このような症状は、今回のようにCPUのはんだクラックによる基板故障が原因であるケースが非常に多いです。
メーカーやキャリアの修理、または一般的な修理店では「基板交換」となりデータが消えてしまうと診断された場合でも、当店スマートまっくすの「基板修理(CPUリボール)」であれば、データを守りながら復旧できる可能性が残されています。
大切なデータを取り戻したいと諦めきれない方は、ぜひ一度当店へご相談くださいませ。全国往復送料無料での郵送修理も承っております。
今回の作業内容と修理料金まとめ
| メーカー | SHARP |
|---|---|
| ブランド | AQUOS |
| シリーズ | sense シリーズ |
| 機種名 | AQUOS sense8 |
| 故障内容 | 電源が入らない(起動不良) |
| 作業内容 | CPUのリボールと再実装 |
| 作業時間 | 1日〜14日ほど ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
| 修理料金 | 【電源が入らない・起動しない】 36,800円 (税込) 詳細はこちら |
修理担当者

久保田
このような症状は、単純なバッテリー交換や画面交換では改善しないことも多く、実際には基板内部の故障が原因となっているケースがあります。特に、大切な写真やLINE、仕事のデータが入っている端末の場合、無理な通電や誤った修理によって状態が悪化してしまうことも少なくありません。突然の故障だからこそ、表面的な部品交換だけではなく、基板レベルで原因を見極められる専門技術者による診断が重要です。「もう直らないかもしれない」と感じた端末でも、復旧できる可能性は残されているかもしれません。
iPhone・Androidを問わず幅広い機種に対応し、一般的なパーツ交換では改善しない重度故障の解析・復旧を得意としている。
特に、「電源が入らない」「起動途中で停止する」「充電反応が不安定」「発熱を伴うショート」「データだけでも取り出したい」といった高度障害案件に対し、基板レベルでの診断・修復を行っている。
基板上の電圧ライン解析、リーク調査、ショート箇所特定、サーモグラフィを用いた故障診断に加え、CPU・UFS/eMMC・RAM・PMICなどBGAチップのリボールや移植作業にも対応。
回路図・情報が少ない機種においても、実測値や回路推測から故障箇所を絞り込み、データ保持を前提とした復旧を得意としている。
「メーカー修理不可」「データ復旧不可」と案内された端末でも、最後まで可能性を追求し、復旧へ繋げる高度な基板修理技術を強みとしている。
この記事の修理を担当した店舗

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|---|---|
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