Xperia 5 Ⅴ 電源が入らないのは本体の曲がりが原因!?【基板復旧修理】
目次
本体の曲がりが原因!? 突然電源の入らなくなってしまった「Xperia 5 Ⅴ」
今回は、SONYのハイエンドモデル「Xperia 5 V(マークファイブ)」の修理事例のご紹介です。
お客様からのご相談内容は「使用中に突然電源が入らなくなってしまった」というものでしたが、詳しくお話を伺うと、以前に他店様にて画面交換をされた履歴があり、さらに、電源が入らなくなった後、同じく他店様でバッテリーの仮付け修理を試みたものの復旧しなかったという経緯でした。
そこで、セカンドオピニオンとして、当店にお持ち込みをいただきました。
大切なデータをなんとか取り出したいというお客様のご希望にお応えすべく、早速原因の究明と復旧を行なっていきます。
【今回のポイント】
・故障箇所:メイン基板スタック部分(2層基板)のはんだクラック
・修理内容:リフローによる再接合
・修理時間:1〜14日ほど(混雑状況によって前後します)
・データについて:データは完全そのまま
・修理料金:36,800円(税込)
まずは状況の確認を行います
まずはお預かりした端末に充電テスターを接続して簡易的な検査を行います。
ケーブルを挿し込んだ直後は0.2A〜0.3A程度の電流が流れることもありますが、0Aと全く無反応のこともあり、症状が安定しません。

さらに外装を注意深く観察すると、非常に気がかりな点が見つかりました。
本体フレームが「くの字」に歪んでおり、電源ボタン付近のフレームには亀裂まで走っています。
このフレームの歪みの影響で、フロントパネルとの間には不自然な隙間が生じ、背面パネルも剥がれている状態でした。
以前に画面交換をされていることから、過去に本体が曲がる(割れる)ほどの強い衝撃が加わっていた可能性が考えられます。
一度亀裂の入ったフレームは強度が著しく低下するため、わずかな負荷でも容易に歪みが進行してしまいます。

分解して内部の検査をします
背面パネルを剥がして内部の検査をします。
当店でも念のためバッテリーやその他パーツを仮交換してみましたが、やはり全く起動しませんでした。
こうなってくると消去法的にメイン基板の故障が疑われます。

メイン基板を調べます
取り出したメイン基板の回路を細かく検査していきます。
近年のスマホでは、限られた内部スペースに膨大な電子回路を収めるため、今回の機種のようにメイン基板そのものが二枚重ねになった「スタック基板(二層基板)」という非常に複雑な構造を採用している端末が増えています。

テスターや安定化電源を使用してメイン基板を検査したところ、明らかに異常が見つかりました。
さらに、本体の曲がりがメイン基板のそばだったことを考え、検査の過程で、この基板の一部を指で軽く押さえつけるように圧力をかけると、正常に動作することが判明しました。
この挙動は、本体が曲がった際の強烈なストレスによって、二枚の基板を繋ぎ合わせている無数のはんだ接点のどこかに「クラック(ひび割れ)」が生じ、接触不良を起こしていることを示しています。
原因の特定ができたので、実際に復旧作業を行なっていきます。
メイン基板をリフローします
原因が接点のクラックであれば、通常はスタック基板を上下に分割し、古いはんだを除去して新しくはんだボールを形成・再接合する「リボール」を行うのが最も確実な手法です。
しかし、Xperia 5 Vの基板再接合に不可欠な「専用ステンシル(はんだを均一に配置するための金属型)」は、現時点では市場に流通していません。
ステンシルがない状態で基板を分割してしまうと、何百もの微細な接点をすべて手作業で均等に形成しなければならず、かえって修復不能に陥るリスクがあります。
そこで今回は、基板を押さえると正常動作するという事前の調査結果に基づき、パターン剥離などの重症化はしていないと判断。
データの救出を最優先とし、最も低リスクかつ確実に通電を確保できる「リフロー(再加熱によるはんだの再溶着)」による復旧を試みることにしました。

リフロー作業は単純に見えますが、職人の勘と経験に裏打ちされた温度管理が求められます。
熱が少なすぎればクラックを起こしたはんだは再結合せず、熱すぎれば周辺や二層基板内部のチップが移動したり、破損して状態が悪化してしまいます。
プリヒーターやヒートガンを使用して、基板の僅かな変化を見逃さず、慎重に熱を加えていきます。
そして基板を冷却後、本体に組み込んで電源ボタンを押すと…

データそのままで無事に修理完了です!
無事に画面が点灯し、システムが起動しました!
データも無事でバックアップが可能な状態まで復旧させることができました!
今回はリフロー作業によって起動に成功しましたが、お客様には「長期間の継続使用は極めて危険である」旨を強くご説明いたしました。
なぜなら、根本的な原因である「本体フレームの曲がり」が直っているわけではないからです。
歪んだフレームに基板を戻して使用を続ければ、日々のちょっとした圧力で再び基板がたわみ、修復した接点がいつまた割れてしまってもおかしくありません。
また、経験上リフローは一時復旧となるケースが多く、短期間で症状が再発するケースをよく見かけます。
今回の修理は、あくまで「一時的にデータを取り出せる状態まで復旧させた」ものであり、お受け取り後は一刻も早く新しい端末へデータを移行していただくよう推奨しております。

この度も基板修理のご依頼をいただき誠にありがとうございます。
スマートまっくすでは、高度な基板修理を自社内の専門スタッフが一貫して対応しております。
スマートフォンの深刻なトラブルでお困りの際は、諦める前にぜひ一度、当店までご相談くださいませ。
今回の作業内容と修理料金まとめ
| メーカー | Sony |
|---|---|
| ブランド | Xperia |
| シリーズ | 5 シリーズ |
| 機種名 | Xperia 5 Ⅴ (マークファイブ) |
| 故障内容 | 突然電源が入らなくなった(本体の曲りによるスタック基板接合部のはんだクラック) |
| 作業内容 | メイン基板のリフロー |
| 作業時間 | 1日〜14日ほど ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
| 修理料金 | 【電源が入らない・起動しない】 36,800円 (税込) 詳細はこちら |
修理担当者

久保田
そんな経験はありませんか?
このような症状は、単純なバッテリー交換や画面交換では改善しないことも多く、実際には基板内部の故障が原因となっているケースがあります。特に、大切な写真やLINE、仕事のデータが入っている端末の場合、無理な通電や誤った修理によって状態が悪化してしまうことも少なくありません。
突然の故障だからこそ、表面的な部品交換だけではなく、基板レベルで原因を見極められる専門技術者による診断が重要です。「もう直らないかもしれない」と感じた端末でも、復旧できる可能性は残されているかもしれません。
iPhone・Androidを問わず幅広い機種に対応し、一般的なパーツ交換では改善しない重度故障の解析・復旧を得意としている。
特に、「電源が入らない」「起動途中で停止する」「充電反応が不安定」「発熱を伴うショート」「データだけでも取り出したい」といった高度障害案件に対し、基板レベルでの診断・修復を行っている。
基板上の電圧ライン解析、リーク調査、ショート箇所特定、サーモグラフィを用いた故障診断に加え、CPU・UFS/eMMC・RAM・PMICなどBGAチップのリボールや移植作業にも対応。
回路図・情報が少ない機種においても、実測値や回路推測から故障箇所を絞り込み、データ保持を前提とした復旧を得意としている。
「メーカー修理不可」「データ復旧不可」と案内された端末でも、最後まで可能性を追求し、復旧へ繋げる高度な基板修理技術を強みとしている。
この記事の修理を担当した店舗

【東京】代々木駅前店
| 住所 | 〒151-0053 東京都渋谷区代々木1丁目32-12 HOUWAビル5F |
|---|---|
| 最寄り駅 | JR代々木駅西口改札から徒歩0分!改札を出て左手の富士そばさんが入っているビルの5階でございます。 【JR山手線】【JR総武線】代々木駅から徒歩0分、【JR山手線】新宿駅南口から徒歩10分 |
| 営業時間 | 10:00~20:00 |
| 定休日 | 年中無休(年末年始休業あり) |
| 電話番号 | 0120-991-990 |
お使いの端末の不具合でお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。