電源の入らなくなったXperia XZ2 を基板修理でデータ復旧
- 2026年4月23日
- 2026年5月29日
- 修理ブログ
- Xperia, 代々木駅前店
- Xperia XZ2, 基板修理
目次
| 機種名 | Xperia XZ2 |
|---|---|
| 故障内容 | 使用中に突然電源が入らなくなった |
| 作業内容 | CPUとRAMチップのリボールと再実装 |
| 作業時間 | 1日〜14日ほど ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
| 修理料金 | 【基板復旧修理】 36,800円 (税込) 詳細 |
突然電源が落ちて使用できなくなってしまった「Xperia XZ2」
今回は、SONYのスマートフォン「Xperia XZ2」の修理事例をご紹介いたします。
お客様によると、直前まで普通に使えていたのに突然画面が真っ暗になり、電源が入らなくなってしまったとのことです。
店頭で充電テスターを接続してみますが、0.117A(アンペア)と微弱な電流しか流れてくれません。
販売時期から考えると、バッテリーの劣化はもちろんのこと、メイン基板の故障も疑われる状態です。
お客様はデータの復旧をご希望とのことなので、早速分解検証から行なっていきます。

簡易的な部品交換を試して、原因箇所を絞り込みます
原因を絞り込むため、画面から分解を行い、動作に必要な最低限のパーツ交換を試します。
しかし、起動に関わるパーツをいくつか交換してみても症状は全く改善しませんでした。
こうなってくると原因箇所はメイン基板(マザーボード)に絞り込まれます。
早速基板を取り出して、引き続き細かな調査を行います。

メイン基板を取り出して細かく検査します
取り外したメイン基板を顕微鏡や安定化電源、テスターを用いて詳細に解析した結果、CPUおよびRAMチップ周辺に明確な異常を確認しました。
Xperia端末で多く見られる事例ですが、制御の要であるCPUとRAMチップは、長年の使用による熱膨張・収縮のサイクルや、日常的な負荷による微細な基板の歪みが蓄積されます。
これにより、チップと基板を繋ぐ「はんだボール」に金属疲労が生じ、断裂(クラック)を引き起こすことが故障の主な原因となります。

今回も同様の原因が予想されるため、「はんだボール」の再制作(リボール)とチップの再実装を進めていきます。
CPUとRAMチップを外します
今回の機種は、CPUとRAMチップが二階建てに重なって実装されている「PoP(Package-on-Package)」という形式が取られています。そのため、今回の補修作業ではCPUとRAMチップそれぞれを、一枚ずつ丁寧に取り外し、「リボール」と「再実装」を行う必要があります。
では、作業を行います。風量と温度管理に優れるプロ用のヒートガンを使用し、チップに適切な熱を加えていきます。
はんだが溶けたタイミングを見計らって、手早く慎重にチップを取り外します。
※Xperiaはチップと基板を固定しているアンダーフィル(樹脂製の接着剤)が非常に硬いため、取り外しの難易度は高めです。

清掃とリボール・再実装をします
無事に取り外しを終えたメイン基板とチップには、古いはんだやアンダーフィルが残っているので、全て綺麗に清掃します。
わずかな不純物や酸化被膜が残っているだけでリボールはうまくいかないため、大切な作業です。

清掃が完了したら、専用のステンシル(金属製の型)とペースト状のはんだを使用し、それぞれのチップの接点に新しく均一なはんだボールを形成する「リボール」を行います。
二階建て実装の場合、接点の数が非常に多く構造も複雑なため、一般的なチップのリボールよりも比較的技術が要求される作業です。
綺麗にリボールが完了したら、基板上の元の位置へチップを設置して、適切な熱を加えて、一枚づつ重ねて実装します。

データそのままで無事に修理完了です!
チップの再実装を終えたメイン基板をしっかりと冷却・洗浄した後、本体ケースに戻して組み上げを行います。
組み上がって電源ボタンを押したところ…無事にSONYのロゴが表示され、正常に起動しました!
その後の動作確認でもタッチ操作や各機能に問題はなく、お客様の大切な写真やアプリのデータもすべて問題のない状態で無事に救出することができました!
今回のように、落としたり水に濡らしたりといった明確な心当たりがないにもかかわらず、突然スマートフォンが起動しなくなるケースは決して珍しくありません。
その大きな原因の一つが、日々の使用に伴う「熱」と「微小なダメージの蓄積」です。
特に動画視聴やゲームなど負荷の高い処理を行うと内部のチップは非常に高温になり、使用を終えると冷却されます。
この急激な温度変化(熱膨張と収縮)が長期間にわたって何千回と繰り返されることで、チップを繋ぐ極小のはんだ接点に金属疲労が溜まり、最終的にクラックが生じてしまうのです。
また、ポケットに入れたまま座るなどの日常的な圧迫や、机に置く際の軽い衝撃なども、長年蓄積することで基板への目に見えないダメージとなります。
これらは精密機器である以上、ある程度避けられない経年劣化とも言えますが、だからこそ万が一の事態に備えた日頃のバックアップと、いざという時に頼れる専門の修理店の存在が重要になります。
同様の症状でお困りの場合は、単純な部品交換から高度な基板修理も対応可能な当店「スマートまっくす」まで、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
今回の作業内容と修理料金まとめ
| メーカー | Sony |
|---|---|
| ブランド | Xperia |
| シリーズ | X / XZ シリーズ |
| 機種名 | Xperia XZ2 |
| 故障内容 | 使用中に突然電源が入らなくなった |
| 作業内容 | CPUとRAMチップのリボールと再実装 |
| 作業時間 | 1日〜14日ほど ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
| 修理料金 | 【電源が入らない・起動しない】 36,800円 (税込) 詳細はこちら |
修理担当者

久保田
このような症状は、単純なバッテリー交換や画面交換では改善しないことも多く、実際には基板内部の故障が原因となっているケースがあります。特に、大切な写真やLINE、仕事のデータが入っている端末の場合、無理な通電や誤った修理によって状態が悪化してしまうことも少なくありません。突然の故障だからこそ、表面的な部品交換だけではなく、基板レベルで原因を見極められる専門技術者による診断が重要です。「もう直らないかもしれない」と感じた端末でも、復旧できる可能性は残されているかもしれません。
iPhone・Androidを問わず幅広い機種に対応し、一般的なパーツ交換では改善しない重度故障の解析・復旧を得意としている。
特に、「電源が入らない」「起動途中で停止する」「充電反応が不安定」「発熱を伴うショート」「データだけでも取り出したい」といった高度障害案件に対し、基板レベルでの診断・修復を行っている。
基板上の電圧ライン解析、リーク調査、ショート箇所特定、サーモグラフィを用いた故障診断に加え、CPU・UFS/eMMC・RAM・PMICなどBGAチップのリボールや移植作業にも対応。
回路図・情報が少ない機種においても、実測値や回路推測から故障箇所を絞り込み、データ保持を前提とした復旧を得意としている。
「メーカー修理不可」「データ復旧不可」と案内された端末でも、最後まで可能性を追求し、復旧へ繋げる高度な基板修理技術を強みとしている。
この記事の修理を担当した店舗

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|---|---|
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