Nothing Phone(2) ロゴにノイズ・電源が入らない状態からのデータ復旧【基板修理】
- 2026年3月26日
- 2026年5月29日
- 修理ブログ
- Nothing, 代々木駅前店
- Nothing Phone(2), 基板修理
目次
| 機種名 | Nothing Phone(2) |
|---|---|
| 故障内容 | 起動時のロゴ表示にノイズが走り、そのあとすぐに電源が落ちる (RAMチップのはんだボール割れ) |
| 作業内容 | CPUとRAMチップのリボールと再実装 |
| 作業時間 | 1日〜14日ほど ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
| 修理料金 | 【基板復旧修理】 36,800円 (税込) 詳細 |
起動するとロゴ表示にノイズが走り、電源が落ちてしまう「Nothing Phone (2)」
Nothing Phone (2)をお使いのお客様より、「使用中に突然フリーズし、『Nothing Crashdump Mode (minidump)』というエラー画面が表示されて起動しなくなった」とのご相談をいただきました。
直前に落としたりぶつけたりといった物理的な衝撃は与えておらず、外見上もヒビ割れなどはない綺麗な状態です。
お客様ご自身で強制再起動を試したり、リカバリーモードから再起動(Reboot system now)を行っても、再びCrashdump Modeに戻りループしてしまう、さらには、画面上の「reset_reason」の項目が文字化けしたり「Unknown」になったりと不安定な挙動を見せているとのことでした。
症状から考えるに、基板故障が疑われる状態ですが、当店スマートまっくすでは基板自体を補修することによって大切なデータを保持したまま復旧させることが可能です。それでは早速作業を行なっていきます。
まずは店頭にて動作の確認を行います
お預かりしてすぐ、店頭で状態を確認したところ、お客様のお手元で発生していた「Crashdump Mode」の警告画面は確認できず、充電テスターを挿しても0.46Aほどと、起動には足りない電流値が流れる状態でした。

その後、一定時間充電を続けたところ、1A(アンペア)ほどが流れ始め、本体にロゴが表示されました。

しかしながら途中から表示にノイズが流れ始め、その後すぐに電源が落ちてしまいました。
事前にお客様から伺った「Crashdump Mode」でのシャットダウン、映像のノイズといった情報から総合的に判断すると、今回の原因はメイン基板上の「RAM(メモリ)チップ」のはんだボール割れ(クラック)によるメモリ不良である可能性が極めて高いと推測されます。

分解してメイン基板を取り出します
おおよその原因が判明したため、早速分解を行なってメイン基板を取り出していきます。
Nothing Phone(2)は美しい背面パネルと、内部の加装部品のデザインが特徴的な端末のため、分解によって傷をつけてしまうと、美観が大きく損なわれてしまいます。そのため、柔らかいカードによって、傷をつけないように丁寧に背面パネルを剥がします。

内部の加装パーツも、折り重なりながら複数のプラスチックやネジで構成されています。
手順を守りながら丁寧に分解します。

無事にメイン基板の取り外しが完了しました。
ここから詳しく原因箇所を調査していきます。

メイン基板を検査します
基板を覆っているシールドを取り外し、故障が疑われるRAMチップ周辺を詳しく検査します。
すると、当初の見立て通りCPUとRAMチップの周辺で異常が確認されました。
この場合は、チップを固定しているはんだボールの割れ(クラック)が原因と考えられるため、「リボール」とチップの再実装による改善を行なっていく必要があります。
なお、Nothing Phone (2)は、下層にCPU、上層にRAMチップが重なって実装されている「PoP(Package on Package)」と呼ばれる二階建て構造が採用されています。
今回の原因は上層のRAMチップの接触不良(はんだボール割れ)と考えられますが、このような二階建て実装の場合、不具合のある片側のチップだけを取り外して乗せ直しても、症状が再発したり、そもそも復旧しなかったりするリスクがあります。
そのため当店では、確実な復旧と再発防止のために、RAMとCPUの両方のチップを基板から取り外し、古いはんだボールを完全に除去した上で、専用のステンシルを用いて新しいはんだボールを形成し直す「リボール」を両方のチップに対してしっかりと行います。

チップを取り外し、清掃します
まずは、チップの周囲を強固に固めている「アンダーフィル(封止樹脂)」を、基板や周辺のコンデンサなどを傷つけないよに、熱を与えながら慎重に削り落とします。
その後、フラックスを塗布し、ヒートガンで適切な熱を加えながら、まずは上層のRAMチップ、続いて下層のCPUチップの順に剥がしていきます。
この時、与える温度が高すぎるとチップ自体が破損したり、低すぎるとチップを持ち上げる際に基板側の接点(パッド)が剥がれてしまうため、経験を元に適切に作業を行います。
※チップは替えの効かないパーツのため、破損させると取り返しがつかなくなります。

チップを取り外した後は、CPU、RAM、そしてメイン基板それぞれに残った古いはんだやアンダーフィルを、はんだごてと吸い取り線を使って綺麗にクリーニングし、完全に平坦な状態に整えます。
地味な作業ですが、この仕上がりがリボールや再実装を行う際の品質のばらつきに繋がるため手を抜くことはできません。

チップのリボールと再実装を行います
清掃が完了したら、専用のメタルステンシル(型枠)を被せて、はんだペーストを塗布します。
ヒートガンでペーストを溶かし、粒の均一に揃ったはんだボールが出来上がったらリボールは完了です。

あとは、下層のチップ(CPU)からズレの無いように基板に乗せて、加熱。上層のRAMチップも同様に作業をして、しっかりと固定されたことを確認したら、メイン基板の補修は完了です。

データそのままで無事に修理完了です!
CPUとRAMの再実装作業を終えたメイン基板をゆっくりと冷却してから、本体に組み戻して電源を入れます。
無事に電源が入り、ホーム画面まで起動することが確認できました!
タッチ操作や通信機能などの基本動作も問題なく、お客様が最も心配されていた写真やアプリなどの大切なデータも、全て初期化されることなく故障前の状態のまま救出成功です!
早速お客様に完了のご連絡を行い、無事ご返却となりました。

今回のような「Crashdump Mode」や起動不良は、落下や水没などの明確な要因がなくても発生することがあります。
日々の使用や高負荷なアプリによる「熱ストレス」が蓄積し、基板上の微細なはんだ接合部にクラック(亀裂)が生じることが主な原因です。
特に昨今の高性能なスマートフォンは発熱しやすく、同様の故障が頻繁に見受けられます。
また、Nothing Phoneシリーズのような独自性の高い端末は、全国的にも対応できる修理店が非常に限られているのが現状です。
メーカーサポートに依頼した場合も「基板の丸ごと交換」となるため、多くの場合で大切なデータは諦めざるを得ません。
しかし、当店であれば、高度な基板修理技術を用いて「データを残したまま」復旧できる可能性があります。
「近くに対応できる修理店がない」「他店で断られてしまった」という方も、まずは諦めずにご相談ください。
スマートまっくすでは、店舗へのご来店はもちろん、遠方のお客様向けに「全国往復送料無料」の郵送修理サービスも承っております。
今回の作業内容と修理料金まとめ
| メーカー | Nothing |
|---|---|
| ブランド | Nothing |
| シリーズ | Nothing Phone シリーズ |
| 機種名 | Nothing Phone(2) |
| 故障内容 | 起動時のロゴ表示にノイズが走り、そのあとすぐに電源が落ちる (RAMチップのはんだボール割れ) |
| 作業内容 | CPUとRAMチップのリボールと再実装 |
| 作業時間 | 1日〜14日ほど ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
| 修理料金 | 【電源が入らない・起動しない】 36,800円 (税込) 詳細はこちら |
修理担当者

久保田
このような症状は、単純なバッテリー交換や画面交換では改善しないことも多く、実際には基板内部の故障が原因となっているケースがあります。特に、大切な写真やLINE、仕事のデータが入っている端末の場合、無理な通電や誤った修理によって状態が悪化してしまうことも少なくありません。突然の故障だからこそ、表面的な部品交換だけではなく、基板レベルで原因を見極められる専門技術者による診断が重要です。「もう直らないかもしれない」と感じた端末でも、復旧できる可能性は残されているかもしれません。
iPhone・Androidを問わず幅広い機種に対応し、一般的なパーツ交換では改善しない重度故障の解析・復旧を得意としている。
特に、「電源が入らない」「起動途中で停止する」「充電反応が不安定」「発熱を伴うショート」「データだけでも取り出したい」といった高度障害案件に対し、基板レベルでの診断・修復を行っている。
基板上の電圧ライン解析、リーク調査、ショート箇所特定、サーモグラフィを用いた故障診断に加え、CPU・UFS/eMMC・RAM・PMICなどBGAチップのリボールや移植作業にも対応。
回路図・情報が少ない機種においても、実測値や回路推測から故障箇所を絞り込み、データ保持を前提とした復旧を得意としている。
「メーカー修理不可」「データ復旧不可」と案内された端末でも、最後まで可能性を追求し、復旧へ繋げる高度な基板修理技術を強みとしている。
この記事の修理を担当した店舗

【東京】代々木駅前店
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|---|---|
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