Xperia XZ2 Premium の電源が全く入らなくなった【基板復旧修理】
目次
突然電源の入らなくなってしまった「Xperia XZ2 Premium」
SONYのスマートフォン「Xperia XZ2 Premium」をお使いのお客様より、「突然電源が入らなくなってしまった」とのご相談をいただきました。
過去に他社様でバッテリーの交換修理をされた経歴があるそうですが、今回の「全く起動しない」という症状がそのバッテリー交換に起因するものなのか、全く別の原因によるものなのか、この段階では不明な状態でした。
基板故障も疑われる状態ですが、まずは分解し原因の特定を行なっていきます。
【今回のポイント】
・故障箇所:CPUとRAMチップのはんだクラック
・修理内容:CPUとRAMチップのリボールと再実装
・データについて:データは完全そのまま
まずは簡易的な検査を行なっていきます
お預かり後、まずは分解前に端末外部からの初期診断を行います。
充電テスターを接続してみたところ、本体上部のLED通知ランプが「赤色で点滅」するものの、電流値は「0.117A」という中途半端な数値となっており、画面には充電マークもSONYロゴも一切表示されない状態でした。

続けて端末を分解していきます。
過去に他店で修理歴があるためか、ディスプレイパネルの接着テープが緩くなっており、加熱せずとも手で簡単に外すことができました。

内部を確認し、元のバッテリーの電圧を測定すると「3.9V」と、システムを起動させるのに十分な電力が残っていることが確認できました。
念のため、当店の検証用バッテリーを仮付けして起動を試みましたが、やはり症状に変化はなく、赤ランプが点滅するのみです。
その他起動に関わる部分の検証を行いましたが、残念ながら起動には至りませんでした。
消去法で、今回の故障箇所はメイン基板に絞られました。

メイン基板を細かく検査します
端末からメイン基板を取り外し、顕微鏡や専用の測定機器を用いて詳細な検査を行います。
電力供給を司るICチップや各種コンデンサなどにショートなどの異常は見られませんでしたが、解析の結果、スマートフォンの頭脳である「CPU」および「RAM(メモリ)」チップの周辺に異常があることが判明しました。
長年の使用による本体の発熱と冷却の繰り返しや、日常的なダメージが蓄積し、チップ同士や基板を繋いでいる「はんだボール」にクラック(亀裂)が生じ、接触不良を起こしていることが、今回の電源が入らない原因と考えられます。
この状態から復旧するには、接触不良を起こしているチップを基板から一度取り外し、はんだボールを作り直す「リボール」という作業を行う必要があります。
Xperia XZ2 Premiumに搭載されているチップは、下層にCPU、上層にRAMが重なり合って実装されている「PoP(Package on Package)」と呼ばれる二階建て構造を採用しています。

CPUとRAMチップの取り外しとリボール・再実装を行います
それでは早速作業を行なっていきます。
まずは、チップ周辺を強固に固めている封止樹脂(アンダーフィル)を、熱を与えながら慎重に削り落とします。※Xperiaのアンダーフィルは硬く、難易度高めです。
続いて、ホットエアーガンで温度と風量を調整しながら、上層のRAMチップ、そして下層のCPUチップの順に、熱によるダメージを与えないよう安全に剥がしていきます。

無事に剥がすことができました。

取り外した後は、基板側と各チップ側に古いはんだやアンダーフィルが残っているので、はんだごてを使って綺麗にクリーニングします。
作業が不十分だと、この後のリボールがうまくいかないため、念入りに行う必要があります。

続けてリボールをします。
クリーニングを終えた各チップに専用のステンシルを被せて、ペースト状のはんだを隙間なく刷り込んでから適切な温度で加熱します。
こうすることでチップの裏面に均一なはんだボールを再作成することができます。

最後にチップを一枚ずつ基板の所定の位置に戻し、熱を加えてはんだボールを溶かし再接合していきます。
この時、熱量を間違えたり、チップの位置がずれたりすると、作業は最初からやり直しになります。
二枚とも実装して、しっかりと接合されたことが確認できたら、基板の補修は完了です。

無事に修理完了です!
基板を本体に組み戻して充電ケーブルを接続します。
正常に起動電流へと上昇し、無事に画面が点灯して起動することが確認できました!
タッチ操作や基本動作も問題なく、内部の大切なデータも初期化されることなく故障前の状態のまま無事に救出完了です。

メーカー修理や一般的な修理店では基板交換となりデータが消去されてしまうと案内された場合でも、当店であれば高度な基板修理技術を用いてデータを守りながら復旧できる可能性が残されています。
当店スマートまっくすでは、全国対応の郵送修理サービスを往復送料無料で提供しております。「近くに修理店がない」「他店で断られてしまった」という場合でもまずは諦めずにご相談くださいませ。
今回の作業内容と修理料金まとめ
| メーカー | Sony |
|---|---|
| ブランド | Xperia |
| シリーズ | X / XZ シリーズ |
| 機種名 | Xperia XZ2 Premium |
| 故障内容 | 突然電源が入らなくなった(CPUとRAMチップのはんだボール割れ) |
| 作業内容 | CPUとRAMチップのリボールと再実装 |
| 作業時間 | 1日〜14日ほど ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
| 修理料金 | 【電源が入らない・起動しない】 36,800円 (税込) 詳細はこちら |
修理担当者

久保田
そんな経験はありませんか?
このような症状は、単純なバッテリー交換や画面交換では改善しないことも多く、実際には基板内部の故障が原因となっているケースがあります。特に、大切な写真やLINE、仕事のデータが入っている端末の場合、無理な通電や誤った修理によって状態が悪化してしまうことも少なくありません。
突然の故障だからこそ、表面的な部品交換だけではなく、基板レベルで原因を見極められる専門技術者による診断が重要です。「もう直らないかもしれない」と感じた端末でも、復旧できる可能性は残されているかもしれません。
iPhone・Androidを問わず幅広い機種に対応し、一般的なパーツ交換では改善しない重度故障の解析・復旧を得意としている。
特に、「電源が入らない」「起動途中で停止する」「充電反応が不安定」「発熱を伴うショート」「データだけでも取り出したい」といった高度障害案件に対し、基板レベルでの診断・修復を行っている。
基板上の電圧ライン解析、リーク調査、ショート箇所特定、サーモグラフィを用いた故障診断に加え、CPU・UFS/eMMC・RAM・PMICなどBGAチップのリボールや移植作業にも対応。
回路図・情報が少ない機種においても、実測値や回路推測から故障箇所を絞り込み、データ保持を前提とした復旧を得意としている。
「メーカー修理不可」「データ復旧不可」と案内された端末でも、最後まで可能性を追求し、復旧へ繋げる高度な基板修理技術を強みとしている。
この記事の修理を担当した店舗

【東京】代々木駅前店
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|---|---|
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| 営業時間 | 10:00~20:00 |
| 定休日 | 年中無休(年末年始休業あり) |
| 電話番号 | 0120-991-990 |
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