Xperia 1 Ⅱ 突然電源が入らなくなった【基板復旧修理】
突然電源が入らなくなってしまったXperia 1 Ⅱ
今回は使っていたら突然電源が入らなくなってしまったXperia 1 Ⅱの修理事例のご紹介です。
お預かり時に動作チェックを行ってみましたが、確かに全く電源が入らず、充電のアンペアも非常に低く充電ランプも光らない状態です。早速分解調査を行います。
早速分解を行い内部の検査をします
まずは起動に必要なバッテリー、充電口などを新しいパーツに仮で付け替えてみて電源が入るかチェックしましたが、電源は入らず、充電のアンペアもほとんど流れません。
こうなってくると基板の故障が疑われるため、基板を取り出して更に詳細な検査を行います。
基板の検査を行います
メイン基板を本体から取り出してショートが発生していないか、ダイオード値に異常が無いかなど検査を行います。
詳しく検査を行ったところCPUとRAMに異常があることがわかりました。
おそらくチップと基板をつないでいる「はんだボール」に破損が発生しているため、再実装による改善を狙って引き続き作業を進めます。
チップを取り外します
まずはチップを基板から取り外します。
上下から適切な熱を与えながら慎重に温めて、はんだを溶かして一枚ずつ外します。(今回のチップは二階建てになっています)
Xperia系はアンダーフィル(樹脂製の接着剤のようなもの)が硬い機種が多いため、取り外しには経験と技術が必要です。
無事に取り外せたら次に進みます。
リボールの準備をします
無事にチップを取り外せたら、基板とチップにこびり付いているはんだとアンダーフィルを綺麗に清掃します。
この際も熱を加えながら作業しますが、温度が高すぎたり、作業時間をかけすぎるとチップのダメージに繋がるため迅速に作業します。
清掃が完了したらリボールの準備は完了です。
リボールの詳細はこちら→Google Pixel 5a 起動不良修理
はんだボールを作成します
清掃の完了したチップにステンシルを当ててはんだペーストを塗り込みます。
余分なペーストを拭き取ったら、上部から熱を加えてチップにはんだボールを作成します。
粒の整ったはんだボールが出来たら再実装の準備は完了です。(綺麗に出来ていないと実装後の動作不良に繋がります)
チップの再実装
リボールの完了したチップを一枚づつ基板に乗せて、熱を加えて再接合します。
2枚とも実装できたら基板の補修は完了です。
修理完了です!
補修の完了した基板を本体フレームに組み直します。
ある程度組み終わったら動作テストで電源を入れてみます。
問題なく立ち上がり、画面が表示されました!
内部のデータも問題なさそうです!
その後全てのパーツをしっかり組み上げ、細かな動作のチェックを行い作業は完了です。
今回も基板修理のご依頼をいただき誠にありがとうございます。
前回のXperia 1 Ⅳから立て続けにXperiaの起動不良のご依頼でした。
スマホの基板不良原因の故障は本当に多いですね、、
前回の記事と同様にフラッグシップモデルだからといって基板の強度が高いとは限らないのが現状です。
特にXperiaシリーズは高性能なぶん、熱や負荷がかかりやすく、長期間使用するうちに基板にダメージが蓄積されることがあります。
また、軽い落下や衝撃でも内部に影響が出る場合があるため、使用状況にかかわらず注意が必要です。
作業の詳細 & 修理費用
| メーカー | SONY(ソニー) |
| シリーズ | Xperia |
| 機種名 | Xperia 1 Ⅱ |
| 故障内容 | ロゴストップ、起動不良 |
| 作業内容 | CPUとRAMのリボール、再実装 |
| 作業時間 | 1日〜7日ほど |
| 修理料金 | 要お問い合わせ 基板修理の詳細はこちら |
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