Galaxy S20 充電をしていたら電源が入らなくなった【基板復旧修理】
【Galaxy S20】の電源が突然入らなくなった...
今回は電源の全く入らない(起動しない)状態となってしまった【Galaxy S20】の基板復旧修理事例のご紹介です。
ご自宅で充電器を挿していて、使用しようと思ったら既に電源が入らなくなってしまっていたとのことです。
一度は同業他社にてバッテリー交換を試されたそうですが、残念がら復旧には至らず、セカンドオピニオンとして当店にご相談を頂きました。
症状や検証結果から考えるに、恐らくメイン基板に不具合が起きている可能性が高いため、早速分解検証を行っていきます。
まずは簡易的な検査をします
充電テスターを接続して数値を確認してみますが、0.02Aほどとほとんど電流が流れていません。
引き続き分解を行い、バッテリー自体の電圧など内部の簡易的な検査も行いますが、基板以外の交換可能なパーツに異常は見受けられませんでした。
当初の見立て通り、メイン基板に故障の原因がありそうです。

メイン基板を点検します
メイン基板をフレームから取り出して、原因箇所を調べてみます。

安定化電源を基板の所定の位置に接続して、電圧を印加してみます。
本来であれば電流値は0Aのはずが、勝手に0.049A流れ出しました。
明らかにショートが発生しています。

続けて、電圧を印加した状態のままサーモグラフィーカメラで基板全体を観察します。
すると、Wi-Fiチップ表面に局所的な発熱が認められました。
どうやら、チップ自体が破損して、内部にリークが発生しているようです。

Wi-Fiチップを取り替えます
原因が判明したので、早速Wi-Fiチップを基板から取り外します。
ヒートガンでチップを炙りながら、基板と接続されているはんだを溶かします。
しっかりと溶けたことを確認したら、基板からチップを手早く取り除きます。

外したチップを観察しましたが、目に見える明らかな破損は確認できませんでした。
この種の故障は、経験と専門知識がなければ原因の究明が難しい箇所です。

破損したチップは修復できないため、交換用のドナーパーツを用意します。
そのため、同一型番の機種を用意し、同様の手順でWi-Fiチップを取り外して流用します。
なお、ドナーチップはそのままでは実装できないため、清掃を行い、新しい「はんだボール」を作成した上で、お客様の基板に実装します。
※リボールの詳細はこちら→Google Pixel 5a 起動不良修理

チップがしっかりと実装できたことが確認出来たら、基板の補修は完了です。
無事に修理完了です!
すべてのパーツを元通りに組み上げて、電源を投入してみます。
無事に電源が入りました!
お客様の設定された壁紙も表示されたため、内部のデータも問題はなさそうです。
これで修理は無事に完了となります。

この度も基板復旧修理のご依頼を頂き誠にありがとうございます!
今回は比較的珍しい故障原因ではありましたが、無事に復旧まで辿り着くことができました。
スマートフォンの基板故障は、症状が同じように見えても原因が一つひとつ異なることが多く、解決までには専門的な知識や豊富な実績が必要となります。
当店では、日々蓄積している多数の修理事例をもとに、他店では断られてしまうような難易度の高い修理であっても、粘り強く原因の究明と復旧に取り組んでおります。
「他社で断られてしまった」「修理に出したが直らなかった」といった場合でも、ぜひ一度当店にご相談くださいませ。
作業の詳細 & 修理費用
メーカー | Samsung(サムスン) |
シリーズ | Galaxy |
機種名 | |
故障内容 | 電源が全く入らない |
作業内容 | Wi-Fiチップの交換 基板修理の詳細はこちら |
作業時間 | 1日〜7日ほど |
修理店舗 |