Galaxy S23 Ultra 勝手に再起動後、電源が入らなくなった【基板復旧修理】
勝手に再起動を繰り返した後に、全く電源の入らなくなってしまった「Galaxy S23 Ultra」
今回は端末が勝手に再起動を繰り返した後に、全く電源の入らなくなってしまった「Galaxy S23 Ultra」の基板復旧修理事例のご紹介です。
まずは店頭にて状態の確認を行います。
電源ボタンを押しても全く反応がありません。
また、充電器を刺しても0.1Aほどと、ほとんど電流が流れず、特に表示もされない状態です。
経緯から考えるに基板が怪しい状態ですが、早速簡易的な分解検査を行っていきます。
まずは簡易的な検査を行います
基板を検査する前に、動作に関わる交換可能なパーツを取り替えてみて、簡易的な検査を行います。

バッテリーなどを交換してみますが、やはり症状の改善は見られませんでした。
当初の見立通りメイン基板に問題がありそうです。
メイン基板の故障箇所を特定します
フレームからメイン基板を取り出して、細かな検査を行います。

抵抗値やダイオード値、回路のリークなどを調べたところ、CPUとRAMチップ周辺に異常があることが確認されました。
いつもの症状ですね….
恐らくチップと基板を繋いでいる「はんだボール」に亀裂が発生している可能性が高いため、リボールと再実装による改善を目指して作業していきます。
※リボールの詳細はこちら→Google Pixel 5a 起動不良修理

CPUとRAMチップを取り外します
再実装を行うためには、一度チップを取り外す必要があります。
そのため、熱を加えてはんだを溶かし、基板から剥がしていきます。
なお、昨今のスマホ全般で見られる構造と同様に、今回の機種もCPUとRAMチップは二枚重なって実装されています。
そのため、熱のかけ方をしっかりと管理しつつ、、長時間の加熱を避けて、一枚ずつ手早く取り外して行きます。

無事に取り外しが完了したら、基板とチップに残った「はんだ」や「アンダーフィル」に再度熱を与えて、丁寧に除去・清掃します。
パターンがピカピカになったら、リボールの事前準備は完了です。

リボールと再実装をします
清掃を終えたチップにステンシルを当てて、はんだペースト塗布して熱を加えます。
「はんだボール」が形成されたのを確認したらステンシルを取り外し、再度軽く熱を与えて粒の形を整えます。
これでリボール作業は完了です。

あとはチップを一枚ずつ基板に載せ、熱を加えて再実装します。
しっかりと定着したことを確認できたら、基板の補修は完了です。

無事に修理完了です!
補修の完了した基板を本体に組み込んで電源を投入したところ、無事に起動しました!
各種動作も問題なく、データも残っていることが確認できたため、これにて修理は完了です!

この度も基板復旧修理のご依頼を頂き誠にありがとうございます!
今回のように「再起動を繰り返す」「突然シャットダウンして電源が入らなくなる」「充電マークが表示されない」といった症状が見られる場合、一般的なパーツ不良に加えて、メイン基板の故障が原因となっている可能性もあります。
また、一時的に症状が改善しても、再発を繰り返すケースでは突然の起動不能に陥ることもあります。 そのため、少しでも違和感を感じた際は、日頃からクラウドなどへのバックアップを定期的に実施されることをおすすめいたします。
万が一、それでもデータが取り出せなくなってしまった場合は、是非当店の基板復旧修理サービスをご検討くださいませ。
作業の詳細 & 修理費用
メーカー | Samsung(サムスン) |
シリーズ | Galaxy |
機種名 | |
故障内容 | 再起動を繰り返した後、電源が入らなくなった |
作業内容 | CPUとRAMチップのリボールと再実装 基板修理の詳細はこちら |
作業時間 | 1日〜14日ほど |
修理店舗 |