LEITZ PHONE 1 突然電源が落ちてから起動しなくなった【基板復旧修理】
突然電源が落ちてから全く起動しなくなってしまった「LEITZ PHONE 1」
今回は使用中に突然電源が落ちてから全く起動しなく(電源が入らなく)なってしまった「LEITZ PHONE 1」の基板復旧修理事例のご紹介です。
早速端末の状態を確認します。
お客様のご申告の通りやはり電源は全く入りません。また、充電器を挿してみると0.096Aほどと、ほとんど電流が流れていない状態です。使用中に突然電源が落ちたという経緯も考えると基板自体の故障が疑われます。
まずは分解し、内部の点検から行っていきます。

パーツの交換などを簡易的に試します
新しいパーツを仮付けして動作に改善が見られるかを試します。
起動に必要なバッテリーや電源ボタンなど、一通り交換を試してみますがやはり症状の改善は見られませんでした。
当初の予想どおり、今回はメイン基板の不良が原因のようです。

メイン基板の故障箇所を特定します
早速基板を細かく検査します。
フレームからメイン基板を取り出して異常のある箇所を調べます。

くまなく調べたところCPUとRAMチップ周りに異常があることがわかりました。
この場合はチップと基板を繋いでいる「はんだボール」に割れが発生している可能性が高いため、「リボール」と「再実装」による改善を目指して作業を進めます。

CPUとRAMチップを基板から外します
原因箇所の特定が出来たので早速チップを外していきます。
今回はCPUとRAMチップが重なって実装されている機種のため一枚ずつ丁寧に剥がす必要があります。
まずはプリヒーターで基板を下から予熱して、温まったら上からヒートガンを当ててはんだを溶かします。
熱量を誤るとチップが破損するため、手早く行います。
溶けてきたら専用のヘラを差し込んでチップを剥がします。
※リボールの詳細はこちら→Google Pixel 5a 起動不良修理

外した後のチップと基板には「はんだ」や「アンダーフィル」が残っているので、全てキレイに清掃します。

リボールと再実装をします
綺麗になったチップに新しい「はんだボール」を作成します。※リボール作業
作成されたはんだの粒が均一でないと、その後の実装がうまくいかないため、この工程も非常に重要です。

リボールが完了したら、チップを一枚ずつ基板に乗せて、熱を加えて再実装します。
ズレなく、しっかりと接合されたら基板の補修は完了です。

組み上げて動作の確認を行ったら修理完了です!
補修の完了した基板やその他パーツを元通りに組み上げます。
組み上がったら電源を入れて、各種動作の確認をしっかりと行って修理は完了です!
データは完全にそのままで、無事お客様へご返却となりました。

この度も基板修理のご依頼をいただき誠にありがとうございます。
今回の「CPUのはんだボール割れ」による起動不良は、経験上、多くの端末で発生する可能性のある症状です。
CPUは特に熱を持ちやすいパーツであり、熱による膨張と収縮が繰り返されやすい箇所です。
カメラやゲームなどの負荷の高いアプリを長時間使用すると、はんだに物理的な負荷がかかりやすくなるため、端末を適度に休ませながら日頃からご使用いただくことをおすすめします。
万が一、同様の症状が発生した場合は、当店までお気軽にご相談くださいませ。
作業の詳細 & 修理費用
メーカー | Leica(ライカ) |
シリーズ | LEITZ PHONE |
機種名 | LEITZ PHONE 1 |
故障内容 | 使用中に電源が落ちてから起動しなくなった |
作業内容 | CPU、RAMチップのリボールと再実装 |
作業時間 | 1日〜7日ほど |
修理料金 | 要お問い合わせ 基板修理の詳細はこちら |
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