AQUOS R3 全く電源が入らなくなった【基板復旧修理】
全く電源の入らなくなってしまったSHARP AQUOS R3
今回は全く電源の入らなくなってしまった、SHARP AQUOS R3の復旧修理事例のご紹介です。
お客様によると、すでに他店でバッテリー交換を行ったものの症状が改善されなかったとのことで、セカンドオピニオンとして当店にご相談をいただきました。
まずは店頭にて動作確認を行います。
充電器を繋ぐと1.26A(アンペア)と正常な値は流れていますがやはり全く電源が入りません。
内部の状態が気になりますが早速分解を行っていきます。

分解して内部を点検します
他店でも検証歴ありとのことですが、念の為当店でもバッテリー交換など、動作に必要な最低限のパーツ交換を試してみます。

色々試しましたがやはり改善はみられません。
今回の原因はメイン基板にありそうです。
メイン基板を検査します
基板を取り出して、細かな検査を行います。
調べたところ、CPUとメモリチップ周りに異常があることがわかりました。
恐らくチップと基板を繋いでいる「はんだボール」にクラックが発生しているため、改善のためにはリボールと再実装が必要となります。お客様とは事前にご相談済みのため、このまま作業を続行します。

CPUとRAMを基板から外します
早速CPUとRAMチップを基板から取り外します。※チップは2層で実装されています。
基板やチップへのダメージを最小限に抑えるため、まずプリヒーターを使って基板全体に予熱を与えます。
そのうえで、ヒートガンでチップを温めながら丁寧に取り外していきます。
熱量が足りないと、はんだが溶けずにチップが剥がれなかったり、アンダーフィル(樹脂製の接着剤のようなもの)が柔らかくならないため取り外すことが出来ません。しかし逆に、熱をかけすぎると周辺パーツを破損させるリスクもあるため、適切な温度と時間のコントロールが非常に重要になります。

無事に剥がせたら次に進みます。
チップと基板を清掃してリボールします
先ほど外したチップと基板には、はんだやアンダーフィルがこびりついているので、熱を与えながら清掃をします。
手早く行わないとチップが破損する可能性もあるため気を抜けない作業です。

清掃が完了したらチップにステンシルを当ててはんだペーストを塗布、熱を与えて均一なはんだボールを作成します。
※リボールの詳細はこちら→Google Pixel 5a 起動不良修理

リボールの完了したチップを基板に再実装します
リボール作業が完了したので、チップを一枚づつ基板に再実装します。
ズレが無いように位置を決めたら、リフローしてはんだを溶かし、しっかりと接合させます。
2枚とも実装出来たら基板の補修は完了です。

無事に修理完了です!
基板の補修が完了したので、元通りに組み上げていきます。
電源を投入して、各種動作に問題が無いことを確認したら無事に修理完了です!
※流れるアンペアが低くなっていますが満充電付近の為、正常な値です。。

この度も基板修理のご依頼をいただき誠にありがとうございます。
今回のように、全く反応がなく起動しない症状には、「バッテリーの不良」「基板の故障」「ソフトウェアの不具合」など、さまざまな原因が考えられます。
バッテリーやソフトウェアに起因する場合は、バッテリーの交換や一時的な脱着で改善するケースもありますが、基板の不良となると、より専門的な技術と設備による対応が必要です。
当店では、一般的なパーツ交換はもちろんのこと、高度な基板修理までワンストップで対応しております。もし、同様の症状でお困りの場合は、お気軽にご相談くださいませ。他店で復旧できなかった端末のセカンドオピニオンにも対応しています。
作業の詳細 & 修理費用
メーカー | SHARP(シャープ) |
シリーズ | AQUOS |
機種名 | AQUOS R3 |
故障内容 | 全く電源が入らない(起動しない) |
作業内容 | CPU、RAMチップのリボールと再実装 |
作業時間 | 1日〜7日ほど |
修理料金 | 要お問い合わせ 基板修理の詳細はこちら |
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