Xperia 1 Ⅶ【文鎮化・起動不良・ロゴループ】をデータ復旧修理

Xperia 1 Ⅶ【文鎮化・起動不良・ロゴループ】をデータ復旧修理

目次

文鎮化・電源が入らない・ロゴループになってしまった「Xperia 1 Ⅶ」のデータ復旧

今回は文鎮化・電源が入らない(起動不良)・再起動を繰り返す(ロゴループ)症状が多発してしまっている「Xperia 1 Ⅶ」のデータ復旧修理事例のご紹介です。

こちらの端末は発売後まもなくから不具合が報告され、7月にはSONYより製造上の不備に関する公式発表もありました。
(※公式アナウンスはこちら
無償交換の対応も案内されていますが、すでに電源が入らない状態ではバックアップを取ることができず、大切な思い出や仕事のデータを失ってしまうのでは…とご心配になる方も少なくありません。
今回ご依頼くださったお客様も、起動しない状態となってしまった端末から、どうしても取り戻したい大切なデータがあり、最後の望みとして当社にご相談いただきました。

CPUなどの替えの効かないパーツが故障していないことを願いながら、早速分解修理を行っていきます。

分解によるメーカー保証について

当店のような民間の修理店において端末を分解すると、メーカーや販売店の保証が受けられなくなる可能性があります。 修理後の保証は当店では対応できませんので、作業をご依頼される際は十分ご注意ください。

まずは事前の動作チェックと簡易的な分解検査を行います

まずはお預かりした本体の動作確認を行います。

電源を入れてみると、再起動を繰り返す「ロゴループ」状態となっていました。
充電チェッカーを刺すと正常なアンペアは流れているため、起動処理に失敗し続けているようです。

症状の確認が出来たので、本体を分解して簡易的な部品検査を行います。

バッテリー電圧が正常な範囲か、その他交換可能なパーツに異常が見受けられないかを細かくチェックします。

できる限り調査を行いましたが、異常は見受けられませんでした。
公式の見解通り、今回の原因は基板自体にありそうです。

基板の検査を行います

端末からメイン基板を取り出して故障箇所の特定を行います。

メイン基板の表面と裏面それぞれにテスターやその他機材を使用して、回路の流れを追いながら不良が想定される箇所を絞り込んで行きます。
安定化電源を繋いで試験してみると突入電流が0.4A程度流れる時があるので、CPUは起動しようとしているが、起動に失敗しているようにも見受けられます。

細かく検査した結果、CPUやRAMチップに接続されているランドや周辺コンデンサの端子に異常な数値が確認されました
※BGAタイプのチップは直接パターンに触れないため、周辺の露出した端子から異常を推測しています。

このことから、CPUおよびRAMチップ自体の不良、もしくはチップと基板を接合する「はんだボール」の割れ(クラック)が疑われます。はんだボールの割れであれば、チップのリボールと再実装によって改善可能なため、早速作業を進めます。

CPUとRAMチップを基板から取り外します

原因箇所が判明したため、早速基板からCPUとRAMチップを取り外していきます。
今回は2枚が重ね合わせて実装されているため、一枚ずつ丁寧に剥がしていきます。

まずは基板の裏面からプリヒーターで温めて、基板全体を均一に温めます。
予熱が完了したらチップの真上から温度管理可能なヒートガンで加熱して、手早くチップを取り除きます。

Xperia1Ⅶは「Snapdragon8 Elite」が実装されており、従来の機種よりCPUサイズが大きいため、それに合わせてヒートガンの熱量・風量も変えて作業を行います。

無事にチップを取り外した後は、チップおよび基板に残ったはんだやアンダーフィルを丁寧に除去します。
清掃が不十分だと、その後に行うリボール作業や再実装に支障が出るため、地味ながらも非常に重要な工程です。

CPUとRAMチップをリボールして、基板に再実装します

CPUとRAMチップの取り外しが無事に完了したので、それぞれのチップに「はんだボール」を作成します。
専用のステンシルをチップに当てて、はんだペーストを塗布。温度を管理しながらヒートガンで熱して、粒の揃ったきれいな「はんだボール」を作成します。

※リボールの詳細はこちらGoogle Pixel 5a 起動不良修理

リボールの完了したチップを一枚ずつ基板に乗せて再実装していきます。
少しでもズレたり、熱量を間違えると動作不良を起こすため、気を抜かずに作業を行います。

しっかりと実装できたことを確認したら、基板の補修は完了です。

無事に修理完了です!

基板の補修が完了したため、本体に組み込み、ドキドキしながら電源を入れてみます……


なんと、端末が起動しました!


今回の原因はチップ自体の破損ではなく、製造上のパーツ実装不備だったようです。
内部のデータも確認でき、各種動作にも支障がなければ、早速お客様にご連絡を差し上げ、無事に端末ご返却となりました。

この度も基板修理のご依頼をいただき誠にありがとうございます。

製造工程上の不備との公式見解から、替えの効かないパーツの根本的な不良も予想されましたが、CPUの実装不備ということで、なんとか復旧を終えることが出来ました!
発売当初でCPUの経年劣化は考えられないので、想定できるのは実装工程上で不純物を取り切れなかったなどが考えられます。

今回の復旧事例から全てのXperia 1 Ⅶで同様の原因と断定することは出来ませんが、「どうしてもデータを復旧したい」といった場合は下記メリット・デメリットをご参照の上、是非一度当店までご相談いただければ幸いです。

当店で修理復旧を行う場合

メーカーで端末交換を行う場合

その他 対応実績

Xperia 1 Ⅶ 電源が入らない【基板復旧修理】-3

今回は全く電源の入らない状態の「Xperia 1 Ⅶ」の復旧ご依頼を頂きました。
CPUとRAMチップの再実装で無事復旧完了です。

お預かり時に動作チェックを行ったところ、電源すら入らず、全く無反応の状態でした。
さらに充電器を接続しても0.163Aとわずかな電流しか流れず明らかに異常な挙動をしています。前回の修理と同様に基板の故障が疑われるため、早速復旧修理を行っていきます。

Xperia 1 Ⅶ 電源が入らない【基板復旧修理】-6

まずは分解をして簡易的な検査を行ったところ、やはり基板に異常が認められました。
そのため、早速リボールと再実装による復旧作業を実施していきます。

Xperia 1 Ⅶ 電源が入らない【基板復旧修理】-5

基板に熱を与えてCPUとRAMチップを取り外します。

Xperia 1 Ⅶ 電源が入らない【基板復旧修理】-4

取り外したチップの清掃を行い、粒の揃った綺麗な「はんだボール」を作成します。(リボール作業)

Xperia 1 Ⅶ 電源が入らない【基板復旧修理】-3

あとは丁寧に再実装を行い、基板の補修は完了です。

Xperia 1 Ⅶ 電源が入らない【基板復旧修理】-2

本体に組み込んで電源を入れたところ、正常にロック画面が表示されました!
大切な内部データも問題が無かったため、無事にお客様へご返却となりました。

Xperia 1 Ⅶ 電源が入らない【基板復旧修理】-1

作業の詳細 & 修理費用

メーカーSONY(ソニー)
シリーズXperia
機種名Xperia 1 Ⅶ
故障内容文鎮化・電源が入らない・再起動を繰り返す
作業内容CPUとRAMチップのリボールと再実装
作業時間

1日〜14日ほど
※混雑状況によって前後します。

修理料金要お問い合わせ
基板修理の詳細はこちら
修理店舗

[東京]代々木駅前店 

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【東京】代々木駅前店

今回もご依頼頂き誠にありがとうございました!スマートまっくすではAndroid修理をいち早くスタートし、古い機種から最新の機種まで幅広く修理対応を行っております。データそのまま迅速修理は是非当店にお任せ下さい!

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