Xperia 1 Ⅲ ロゴで落ちて電源が入らない【基板復旧修理】
起動時のロゴで落ちて電源の入らない「Xperia 1 Ⅲ」
今回は起動時のロゴで落ちて電源の全く入らない「Xperia 1 Ⅲ」の基板復旧修理事例のご紹介です。
まずは店頭にて動作の確認を行います。
電源を入れるとロゴマークは一瞬表示されますが、やはり電源が落ちてしまいました。
また、充電テスターを接続した状態で電源を入れると、0.414Aと起動時に必要な電流は一応流れていますが、それ以上は上昇せず、正常な起動動作には至っていません。
なお、こちらの端末は以前に同業他社でバッテリー交換を行ったものの、復旧に至らなかったとのことです。
状況から考えるに基板自体の故障が疑われる症状のため、早速分解・検査を行っていきます。

まずは簡易的な検証を行います
本体を分解して、簡易的な検証から行います。
一度分解済みのため、裏蓋は簡単に剥がれてくれました。

他社での作業と同様に、まずはバッテリー交換など簡易的な作業から試しますが、残念ながら症状は改善しませんでした。
やはり、今回の故障箇所はメイン基板のようです。

基板を取り出して原因箇所を特定します
フレームからメイン基板を取り外し、破損箇所の特定を行います。
こちらの機種は多層基板構造を採用しており、複数の基板がはんだによって貼り合わされた少し厄介な設計となっています。
そのため、露出している外側のパーツ側に故障があることを願いながら、慎重に検査を進めていきます。

細かく検査したところ基板表面のCPUとRAMチップの周辺に異常な値が確認されました。
(多層基板の内部ではなくホッとしました…)
恐らく、チップと基板を繋いでいる「はんだボール」に亀裂が発生しているため、「リボール」と再実装による改善を目指して作業を進めて行きます。
※リボールの詳細はこちら→Google Pixel 5a 起動不良修理
CPUとRAMチップを取り外します
リボールを行うために、CPUとRAMチップを取り外して行きます。
基板にフラックスを塗布して熱を伝わりやすくし、ヒートガンで加熱しながらチップを一枚ずつ剥がしていきます。
当機種ではCPUとRAMチップが二枚重なって実装されているため、熱の管理に注意しながら慎重に作業を進めます。

無事に剥がすことができたら、基板とチップに残っている古いはんだやアンダーフィルを丁寧に除去します。
チップのリボールと再実装をします
先ほど清掃を終えたチップにステンシルを当て、はんだペーストを塗布します。
その後、熱を加えて粒の揃った「はんだボール」を作成します。
この仕上がりは、チップの再実装の成否に大きく影響するため、地味ながらも非常に重要な作業です。

リボールが完了したチップを一枚ずつ基板に載せ、熱を加えてはんだを溶かし、基板と再接合します。
すべてのチップがしっかりと実装されたことを確認したら、基板の補修は完了です。

無事に修理完了です!
補修が完了した基板を本体に組み込み、電源を投入すると、無事に起動しました!
各種動作も問題なく、データも無事であることが確認できました。
これで修理は完了です。

この度も基板修理のご依頼をいただき誠にありがとうございます。
今回は、他社でバッテリー交換を試みても復旧に至らず、セカンドオピニオンとしてご依頼をいただきました。
確かにバッテリー不良でも似た症状が発生することはありますが、多くの場合は基板自体の故障が原因であり、バッテリー交換で復旧する例はそれほど多くありません。
当店では、通常のパーツ交換はもちろん、基板の高度な復旧修理までワンストップで対応しております。
同様の症状でお困りの方や、他社で「復旧できない」と言われた場合も、ぜひ一度お気軽にお問い合わせくださいませ。
作業の詳細 & 修理費用
メーカー | SONY(ソニー) |
シリーズ | Xperia |
機種名 | Xperia 1 Ⅲ |
故障内容 | 起動時のロゴマークで落ちて、電源が入らない |
作業内容 | CPUとRAMチップのリボールと再実装 |
作業時間 | 1日〜14日ほど |
修理料金 | 要お問い合わせ 基板修理の詳細はこちら |
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